2026.05.24(Sun)イベント報告
チャードを巻く幸せ、巻かない合理主義
きのう5月23日は、「マクルーバとスイートチーズロール」レッスンの今季最終回でした。
農園さんががんばって届けてくれた立派なチャードを、8人で息を合わせて、細長く、綺麗に巻き巻き。どれぐらい巻いたかな。40本以上できたことは間違いありません。手間はかかりますが、みんなでワイワイ包む時間は中東の家庭の温かさそのものでした。




……と、美しく巻かれたチャードのマハシーを見ながら、かつてアブダビで出会ったレバノン人マダムを思い出していました。彼女は画家・彫刻家であり、画廊の経営者でもある、創造性とエネルギーに満ち溢れた女性でした。数年前、私は3週間、彼女の家にホームステイさせてもらっていました。
毎日午前中は夫さんとジムに行き、昼過ぎにいったん帰宅すると、彼女はメイドさんたちに賑やかに指示を飛ばしながら、歌うように踊るようにランチを作ります。伝統的なレバノン料理を直感的にヘルシーにアレンジしたものが多かったです。寡黙な夫さんが準備したアニスのお酒「アラック」を少量飲みつつ、すべての料理にたっぷりとレモンを絞りかけて食べ、終わると夫さんを伴って画廊へ仕事をしに行くのが毎日のルーティーン。夫さんは、「うちでは彼女がコンダクター(指揮者)なんだ。僕は第一ヴァイオリン。」と笑っていました。
そんな彼女がある日披露してくれたのが、下の2枚の写真のような「巻かないチャードのマハシー」でした。キャセロール型に若いチャードの生葉とフィリングを層状に重ねて作る、いわばLazy version。アルミフォイルでキャセロール型に蓋をして、オーブンでベイクしていました。出来上がりを、スコップケーキみたいに豪快にすくって、お皿に分けてくれました。もちろん「追いレモン」もたっぷり。


さすが、様式にとらわれず、余計なものをそぎ落としてスピリチュアルな高みを目指す彼女らしいマハシーの作り方だわ、と感心していたのですが。。。
彼女は、自分の発明だと疑わなかった「巻かないチャードのマハシー」のことを何人かの女友達に(たぶんちょっと自慢気に)話したら、何人もの女性が、「それ、実は私もやってる(笑)」と打ち明けたそうです。
どんなに伝統を愛する中東の女性たちでも、やっぱり「あの巻き巻きは面倒くさい!」のは本音のようです(笑)。
美しく巻いたマハシーはもちろん最高に美味しく、目も心も満たされますが、現地のLazyなマハシーも、レモンをたっぷり絞ればけっこう美味しい。チャード(フダンソウ、うまい菜)の若い葉が手に入れば、私も一度やってみたいものです。